荒海謙一
福島市内の小学校で、当時担任だった教諭から再三の叱責(しっせき)を受けるなどして不登校になったとして、児童の保護者らが市教育委員会に事実関係の究明を求めている。元担任と校長は今月下旬、「児童に不快な思いをさせた」などと保護者に謝罪したが、保護者は「不信感は消えず納得できない」と話している。市教委は「児童が安心して登校できるように学校の取り組みを支援する」としている。
保護者によると、児童は2年生だった2020年の2学期ごろから、度々、担任から叱責され、「学校に行きたくない」「死にたい」と言うようになった。3年生になった21年5月には、宿題の範囲を間違えた際に別室で2時間以上立たされ、「なぜ間違えたのか」などと叱られたという。保護者は翌6月には担任がマスクをずらし、児童の目の前でせきや、くしゃみをしたこともあったと主張している。
その後、児童は学校を休みがちになったという。4年生になって担任が代わり、1学期は登校できていたが、2学期から再び休みがちになり、3学期は数日しか登校できていないとしている。
市教委や学校の聞き取りに対し、元担任は別室で長時間立たせたことや、児童の前でせきなどをしたとの指摘について、「よく覚えていない」と話したという。
保護者は昨年10月、元担任の行為が「体罰」にあたるとして、市教委などに事実関係を究明するための第三者委員会の設置などを求めた。市教委からは「いじめではないため、第三者委の設置要件に該当しない」などと説明されたという。
市教委は取材に対し、「プライバシーに関わるため詳細は明らかにできないが、継続的に学校を指導する。児童の登校に向けた家庭訪問やオンライン授業などの学校の取り組みを支援していく」としている。関係者によると、元担任と校長は市教委から厳重注意を受けたという。(荒海謙一)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル